パルプ・製紙業界といえば書籍やコピー用紙、画材などに使われる紙を作っているイメージですが、実際には段ボールやトイレットペーパーなど、身近で欠かせない日用品にも大きく関わっています。
しかし、木やパルプなど形ある原料を加工する業界で、成分測定等に用いられるプロセス分析はどのように活用されているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
パルプ・製紙業界においては主に固形物が使用されるため、成分を測定するプロセス分析の概念は従来薄いと言われてきました。しかし、近年では紙を作る際に添加する薬品が製品の特徴に影響するということで、成分分析を見直す動きも出てきたようです。
木材からリグニンと呼ばれる不純物等を取り除き、紙として仕上がるセルロースのみを取り出す作業が「蒸解工程」です。この時、残リグニン量(カッパー価)や蒸解度の測定が必要となりますが、以前はサンプル採取のための乾燥時間も含め2時間程度を要していました。
そこで、昨今ではインライン(オンライン)式のプロセス分析を導入することで、より効率的に分析を行えるシステムを構築している会社もあるようです。
白く漂白する工程において、添加薬品の残塩素量、および残アルカリ量を測定する際にもプロセス分析は活用可能です。これは一般的に蒸解工程から連続した作業として捉えられており、適切なフィードフォワードの制御を行うのが難しいことから、非常に重要な管理項目のひとつとされています。
パルプ液中の固形分の重量比でその濃度を表し、適切なパーセンテージになるかを見る「パルプ濃度測定」や、白液(薬品)や緑液(廃液を燃焼させた後、炉の下部に残るカス)の中にある成分を測定する「苛性化工程の薬液組成」といった工程もあります。成分分析については自動で行える装置もあるものの、一般的には手動(オフライン)で行うことが多いです。
製紙・パルプ分野では、インライン式プロセス分析により、工程のモニタリングや白液の濾過、原水水質や白水の濁度測定、排出水のモニタリングなどを一貫して行うといった活用方法が考えられます。システム性能を最適化できれば業務効率化にも繋がり、これまで以上にスムーズに安定した製品を提供できるでしょう。
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固形物を取り扱っていることもあり、従来はどちらかといえば木やパルプの品質に重きが置かれていたパルプ・製紙分野ですが、近年では成分分析も改めて見直され始めており、今後も更なるプロセス分析の活用、発展が期待されます。
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